「私、お風呂洗ってきますね。」 陽也さんから逃げるように、風呂場へ向かう。 下手な口実まで作って、陽也さんが来る前に洗っていた風呂場に向かう。 陽也さんは、わかっているけれどあえて言わない。 あの人は、私を上手く扱っている。 ―――アイツが風呂場に向かう。 俺から逃げるように。 いつになったら、心から俺を求めるんだろうアイツは。 アイツが俺のことを逆らえない状態を作って、俺のものにする。 情けないってわかっている。