「こいつは、黒龍の邪魔になる。

とでも、思ってるんでしょう。」




得体の知れない女、だものね。




何ヶ月一緒に居たけど、家族のことも何もかも、自分のことは話さなかったもの。




「あれ、姫にはお見通し?」




「考えれば、分かるわよ。」



「あっ、そういえば・・・


お母さんに刺されたとこ、大丈夫?

大きな屋敷に帰らなくて大丈夫?

婚約者のもとに帰らなくて、大丈夫?」




考喜は、そう言って笑った。


な、なんで、刺されたことも、屋敷のことも、婚約者のことも知ってるの?




「陽也といるなら、黒龍に来るな。

陽也は、黒龍にとって敵なんだよ。」




なんで、知ってるの?


考喜の表情は、いつもより怖かった。