スノードロップ

タバコをつけるということは
もう終わりということ。

重たい身体を頑張って
起こして部屋の中に撒き散らした
お札を拾っていく。



長いタバコをすぐに吸い終わった
母は私に少しずつ近づいてきて
ギュッと抱きしめた。

「ごめんね。ごめんね。
柚は何も悪くないのにごめんね。
札束を見たら柚も雄(Yu)
みたいにいなくなっちゃうかも
知れないって…。
ごめんね。
私の前から逃げないでね。」

雄とは父の名前だ。
顔も知らない父の事を
言われても興味も湧かない。

だけどこんなに弱々しい
母を見ていたら私は、
この人の前から消えれないよ。
それがどんなに苦しいことを
されていても。