直ぐにリダイヤルボタンを押した。
音声が切り替わりコールが頭に鳴り響く。
その間、すごく永く感じられた。
コールが途切れると、次に聞こえてきたのは大好きな声ー…。
「真耶?」
熱で寝込んでいる間も何度となく頭で思い返したこの声は、不思議と懐かしくもなかった。
ただ、好きだと思った。
「何で…?」
それだけを絞り出すのが精一杯で、また、目頭が熱くなる。
鼻を詰まらせたような震えた声がバレないようにと言葉は短く切るしかなかった。
ふと電話越しに聞こえたアナウンスで孝介が空港にいるのだとわかる。
「ちょっと待って」
そう残して遠くなった孝介の声は誰かと話をしている。
すると少しして、ガヤガヤとしていたバックの音は静かになった。
「………………」
「…………………」
「……」
「……………あのさ…」
「………ひどい」
「…………」
「何で……直接言って……くれなかった…の」
「……ごめん。言いづらくて言えなかった。真耶は先輩との時間の方が大事だと思ったから…」
「そんなこと…」
少しの沈黙の後、孝介が小さく息をついた。
「最後だから言うよ」
……最後って…。
「俺さ、真耶が好きだった」

