おじさんが去っていった後も、私は孝介の家の前で呆然と立ち竦んだ。
何を考えるでもなくただぼぅっとしていた。
急に意識がハッキリとして焦点が合うと、もぬけの殻となっても変わらないこの家に違和感を覚えた。
今にも孝介たちが帰ってきそうだ。
ほら、そこの曲がり角から孝介がなにもなかったように顔を出しそう。
曲がり角をじっと眺めたけれど一向に変化はない。
すると、目頭が熱くなった。
私は、零れないように上を向いたけれど、睫がじんわりと濡れた。
瞑った瞼の裏から孝介との思い出が鮮明に想い出されて…。
もう、どこで間違えたのかわからない。
どうすればこんな思いをしなくて済んだのだろうか。
先輩をフったときとか?
あるいは、もっと前かもしれない。

