孝介は細井さんと付き合い始めたのだろうか。
あぁ…やだ…。
どうしても頭では2人のイチャつく場面を想像してしまう。
自分が傷つくだけなのに、止められない自分が本当に嫌だ。
「どうせ喧嘩でもしたんだろうけど早く仲直りしなさいよ。今日孝介くんの見送り、真耶も行くでしょう?」
「うん?旅行でも行くの?」
だったら、細井さんとも離れるし、私も暫く会わなくて済むから嬉しい。
…ちょっとだけ………
いや。かなり寂しいけど。
「引っ越しよ。…孝介くんから聞いてないの!?」
「知らない…」
家、もう近くなくなるのか。
このまま何の接点もなくなったら…私は、孝介の側にいる理由がなくなってしまう。
そしたら、私はどうすればいいかな…。
「もう、日本に帰ってこれるか分からないんだって。だから、後悔ないようにちゃんと仲直りしなさい」
「ぇ…日本?…孝介は転校するの?」
「当たり前でしょ、オーストラリアだもの。本当に何も聞いてないわけ?」
思考はゆっくりと回った。
うそ…オーストラリアって…なにそれ、聞いてないよ。
電話に出なかったこと、メールを見なかったこと。
風邪を引いたこと。
全てを後悔した。
あ…
携帯…!!
急いでメールの受信boxを開けば、孝介のものでいっぱいだった。
その中で最後のメールにだけタイトルが付いていなくて、予感はした。
やっぱり。
『今週の土曜日、オーストラリアに引っ越すことになった。もう日本に戻って来ないと思う。ごめん 言い出せなくて』

