「…ほっぺ…痛い?」
思い切り叩いた孝介の頬は数日たった今でもほんのりと赤みが差していた。
「誰のせいだと思ってんだよ」
睨まれて身が縮んだ。
「…やっぱり怒ってる…よね…」
「別に」
孝介の声がいつもより低いのは気のせいではないと思う。
「…ごめんなさい」
どうしても声が強ばってしまうのは、不安と罪悪感からだろうか。
それとも、涙を我慢しているからだろうか。
「熱で思考がおかしくなってたんだと思う…。本当にごめん…」
「…………」
孝介の反応はない。
私は、ついに嫌われたんだ…。
「この間私が言ってたことは…忘れて…。ただの戯言だから………」
最後にもう一度謝って家に戻ろうとしたそのとき。
「戯言ってなんだよ…」
「え…」

