「孝介ってさ、意外にモテるよね」
おどけて言ってみたら冗談だと受け取ったみたいで
「意外ってなんだよ」
孝介はいつもの調子でノッてくれた。
「意外でしょー。大して目を引く見た目じゃないし」
「…酷い言われよう」
本当のことだもん。
でも
「…たぶん、こういうところなんだろうな。モテる理由」
孝介が持ってくれているバッグを軽く叩くと、苦笑が返ってきた。
「なんだよ、それ」
「……だから、そういうのやめた方がいいと思う」
「は?」
「そうやって無闇に優しくするの。やめた方がいいと思う」
「………」
孝介の視線が刺さる。
だから、上手く息ができない。
口に溜まる唾が飲み込めない。
普段どうやっているんだっけ。
どうすれば自然な動作になるの。
見られているというだけで過剰反応してしまう。
少しでも良く見せたいと思ってしまう。
下心がいっぱいだ。
「……勘違いしちゃうよ。………みんな…」
熱で思考が上手く回らないみたい。
後から慌てて『みんな』を付け加えた。
不自然じゃなかっただろうか。

