「孝介」 「何?」 一筋縄ではいかないことは分かってる。 これはまだまだ時間がかかりそうだね。 「バッグありがとう」 そう言って受け取ろうとする手をひょいと交わされた。 突然のことに呆気にとられる。 いじめ? 病人相手に意地悪ですか。 「俺持つよ」 「……いい」 「遠慮すんなって」 先に歩き出した孝介は人の話を聞く気もないようで、私は仕方なく諦めることにした。 …嬉しかったけど。