「孝介…すごく傷付いた顔してた…。私…最悪。自分が傷つく前に相手傷つけて、遠ざかるなんて…最低だ…」
あの後、孝介は分かったって言って…良かったなって……言ってくれたのに…。
私…何も言えなかった…。
「……でも、君が一番傷を負ってるよ」
「違います!」
「違わないよ。………じゃあ言うけど。俺は今内心喜んでる。あの幼なじみのものになると思ってた君が失恋してくれたおかげで俺のものになってる。君の失恋が凄く嬉しい
……どう?最低でしょ」
おどけた声でも、先輩の表情は切なくて、怒る気にはなれなかった。
「……言わなくていいですよ…」
「本当に思ってることだから」
「…もうっ…………ばか」
そう言うと、先輩は優しく包んでくれて
「……真耶は優しすぎるよ…。だから俺みたいな狡い奴に引っかかるんだ」
その優しさにまた涙が零れた。

