「よぉ、真耶。遅かったな…」
目の腫れが引かなくて、保健室で冷やした後に教室に戻ったら昼休みになってしまった。
絶交なんて言った矢先だから気まずい…。
「ぎゃ!?」
「…色気のない反応…。細井だったらもっと可愛い反応すんぞー。細井の爪の垢でも飲ませてもらえよ」
ニヤリとして孝介は言う。
いつもはふざけて言い返すけれど、
今日はキツイ…。
このタイミングはヒドイよ…。
色気のない反応をすることになった原因を手にとって、必死に表情を隠した。
「これ…」
私が聞くと、孝介が照れくさそうに言う。
「最近元気なさそうだったからさー…。やる」
私の手にあるのは雫が滴るパックのオレンジジュース。
「……私も安くなったもんだ。どーせならお昼ちょーだいよ」
「はぁ!?…ふっざけんなよ!俺がどんな思いで…!!」
「心配してくれたんだ?」
ニヤリと笑い返せば孝介の顔はみるみる赤くなっていく。
「ちっげぇよ!勘違いすんな!」
…勘違いするよ。
期待しちゃうよ。
だったらそんな顔すんな。
「…冗談。ありがと」
「…おぅ」
そう短く言って、孝介は行ってしまった。
だめだ。
言わなきゃ。
私なりのけじめを。

