青空の中、校庭に鳴り響くホイッスル。


そして、女子の歓声。


「きゃあー見た?ねぇ、今の見たぁ!?一條先輩のシュート!試合終了ギリギリだよ!?もぉ、格好良すぎる!」


3年生の体育を教室の窓際の自分の席から眺めながらも、私は興奮を押されきれないでいた。


「お前のデカい頭が邪魔で見えねぇよ」



私に同意を求められた孝介は半ば呆れながらも意地悪を言ってくる。


孝介は私の隣の席だから校庭が見えなくて当然なのだ。



「なんだとっ!?一條先輩の良さが分からないなんて可哀想なやつめ」


哀れんだ目で見返せば


「男の良さがわかってたまるかっ!」


孝介もノってくる。

いつもの光景だ。


そしてこの辺りで


「一條先輩はそれでもた「お前ら!毎回毎回、いい加減にしろ!そんなに職員室が好きか!?」



先生の檄が飛ぶのもいつもの光景。