Salty Taste Love




『私も好きです』


そう言って先輩の胸に飛び込めたらこんな苦しい思いしなくて済むのだろうか。





でも









「…ごめんなさい先輩」







私が好きなのは孝介なの…。





先輩の応援を頑張ってたのは、孝介に気持ちがバレないようにするためなんです。


孝介は私と同じ気持ちじゃないってどこかで薄々気づいていたから…だから…。



私だってあんたを好きなんかじゃないって示したかったんです。







「先輩は、かっこいいし、モテるし、スポーツだって勉強だって…全部…完璧で…私にはもったいないんですよ…」





私なんて、好きな人に好きとも言えないし、挙げ句の果てに気持ち隠して先輩のこと好きとか孝介に言っちゃうばかです。




「先輩にはもっと良い人がいますって」





苦しい。


私が苦しむ資格なんてないのに…。


こんな良い人フるなんて、どこまで罰当たりなんだ…。





先輩が告白してくれてるのに私の頭の中は孝介でいっぱいだなんて…なんて…


「………何で泣いてるの?」



「……………」



「………俺がフられたのに何で君が泣いてんのさ」



「……………」



私が答えられずにいると、先輩はため息をついた。
それに身体が揺れてしまう。



「…泣きたいのはこっちなんだけど…」

「ーっ!ごめんなさっ…」


俯いてた顔を上げると先輩の目と合った。


「………」


そのまま目を離せずにいると、先輩は私の頬に手を当てて


「な…に…するんですか…」



「……知ってるよ。あの、幼なじみが好きなんでしょ」


私が目を見開くとそれを肯定と取ったらしい。

私に顔を寄せた。



「フられた?」



「…………」



「好きな人がいたとか」



私の顔を見ると、先輩は私を抱き寄せた。



「…そっか…」



「先輩、やめ「やめなよ、そんな奴」




言葉を遮って発せられた先輩の声は、今までに聞いたことのないぐらい低くて、私の心に重く沈んだ。



それでも抱きしめる力を緩めない先輩に嫌悪感を抱いて、私は抵抗する。



「離してっ!」


「じゃあ!泣くなよっ!」