水曜日。
腫れが引いて良かった。
教室の隣の席には孝介がいる。
「おはよう」
「おー」
少し、気まずかった。
多分私だけ。
いつもはそこで他愛もない話が繰り広げられるのだが、今日は違った。
私が話す気になれなかったから。
何もしないのも気まずいだけで、私は珍しく宿題を始めることにする。
白紙のプリントに名前を書いたところで
「孝介」
女の声だった。
「よぉ、細井」
4組の細井愛さんだ。
名前に劣らない愛らしい容姿で、私なんて背伸びしても届かない。
2xと5yはaとbに代入して…
解の公式……で。
勉強なんて頭に入らない。
ちっとも宿題は捗らなかった。

