Salty Taste Love


「ありがと、孝介。助かった」

「おう」


孝介から冷えピタを受け取ってお礼を言う。

その時の孝介の笑顔を見てまた、好きだなあって思った。




だけど、それと同時に孝介の隣に立つ見知らぬ女の人を想像してしまって…。


それが、どうしようもなく嫌だった。

胸が苦しくてもう嫌だ…。





好きな人には、私の知らない顔をするんだろうか。

もっともっと甘く、笑うのだろうか…。























嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

嫌だよ。



孝介……。



「孝介…」



「ん?」



「お金…明日でいい?」


「そんくらいいいよ、俺と真耶の仲だろ」



あ…。



「…う…ん、そうだね……ありがと」













もう、限界だった。








「うぅっ…あぁぁぁ…ぅわっぁぁぁぁ……」



「!?え、や、真耶!?何だよ!??」



「うぅ…っなんで…も…ぅっ…なぁい…」


「何でもないわけないだろ。財布忘れたのがそんなにショックだったのか?」


「ばかっ!」








それから孝介は泣き止まない私の手を引いて家まで送ってくれた。


 
途中、


「こんなことしてたら…孝介の…ぅっ…好き…な…ひとに、勘違いされちゃ…よ」


って聞いたけど


「いいって。俺と真耶の仲だろが」



って返された。




多分、一昨日までの私だったら特別扱いされてるようなこの言葉を聞いて舞い上がっていたと思う。


でも…今は現実を知ってしまったから…。



『俺と真耶の仲』




辛い。



好きな人と幼なじみは違うと言われているようで。


もしかしたらそういう意味なのかもしれない。

孝介は私の下手な演技を見抜いていて、私の気持ちを知って言ったのかもしれない。



だとしたら最悪だ。


私に望みはないのだから。