仕事終わり、久しぶりに実家に帰る途中で母校の制服を見つけた。 「うおぉ~…」 男女で手を繋いで歩く彼らは初々しい限りだ。 そこが私の通学路だったためだろうか。 懐かしい香りがした。 その懐かしい香りに乗って一番最初に想い出すのは幼なじみの孝介だ。 つい、彼らを私と孝介に重ねてしまって、私は苦笑した。 あの時私は、孝介と手をつなぐことも出来なかったくせに。 苦い思い出だ。 けれど、少しだけ… その懐かしさに身を委ねることにしよう。 そう思って、私は目を閉じた。