フォークに刺したリンゴを差し出すと
菜央が口を開ける。


マジかよ…。
これは…あーんってやつか。


仕方なく差し出すと
シャクっと美味しそうに頬張る。



不思議だよな。
一目惚れした人が今、こうして自分の目の前にいる。

俺の手からリンゴ食ってんだもんな…。



ぼんやり菜央を眺めていると
ふと、俺の方をみてフニャっと、笑う。


「………もう、寝ろ…。明日帰るから。」


「か…一哉さんは…?寝ないの?」


「俺はソファで寝るよ。」


そう言って横に置いてある小さなソファを指さして
菜央を寝かせようとする。


その時、菜央の手が俺の腕を掴む。

「…どした?」


「…からだ…痛くなっちゃう…。」


「大丈夫だ。」

理性を保とうと菜央から離れようとするが
菜央はそれを許さない。


「…一哉さんも一緒に寝よ?」

!!!

衝撃の言葉に動けなくなる。


「からだ痛くなったらこまるでしょぉ?」


うつろな瞳で俺を見つめる。


そのまま俺を引き寄せる。


…。
もーしらねぇ。


俺はそのまま菜央のいるベッドに滑り込む。


「ふふふ…。狭いねぇ…。」

ニコニコと笑う菜央。

熱の力はスゴイな…。


「そりゃ、シングルに2人はキツイよな。」


「んー…一哉さん…ありがとぉ…。」


思わぬ言葉に赤くなるのがわかる。


「いいんだよ、好きでやってんだから。」


「…。」


??

ふと、横を見るとスヤスヤと寝息を立てて眠る菜央。