バスに乗ってホテルまで来る。
ホテルの周りは街の中心部だからとても賑やか。
観光シーズンだからか…。
どー考えてもこの中に一哉さんが入って行ったらまた騒ぎになる…。
「あのっ、一哉さん、先ホテル戻ってていいですよ?私、ささっと買って戻りますから。」
「は?」
「いゃ…私の買い物に付き合わせるわけには…。」
「俺も買いたいものあるし。別にお前に付き合ってるわけじゃない。」
う…。
そー言われても…。
「ひ、人混み…ですよ…。」
「あ??ヘーキだろ。」
「だ、だって!さっきは平気じゃなかった!!」
「じゃ、俺を守れよ。」
は???
そう言って私の腕を掴み自分の方へと引き寄せる。
ち、近い…。
どう考えても、周りにいるカップルと変わらない。
「か、か、一哉さん!!」
「彼女のフリしとけ。」
「は??そんなことしたら余計話題に…」
「なんねーよ、俺、女嫌いで世間に通ってるから。」
そーいえば。
前に雑誌に書いてあったよーな…。
『過去に女には裏切られた』
確かそんなよーなことが…。
「まぁ、実際女嫌いなんてウソだけどな。」
「うそ?!」
「当たり前だろ。女嫌いがなんで女の秘書を雇うんだよ。」
確かに…そう言われてみれば…。
「だからそばにいろ。それに…お前は1人でフラフラしたら迷子になって面倒だ。」
そう言って掴んでいた腕から手を離し
私の手の平をギュッと包む。
大きな手にドキッとしてしまう。
…勘違いするな私!
ただの彼女のフリ!
と、考えてみるけど そんなのムリ…
恥ずかしいけど、心地よくて
私は繋がれた手をギュッと握り返した。

