「……お前も大変なんだな。」
ボソッと呟かれる。
波が高い海を見つめる一哉さんの瞳は すごく悲しそうで今にも壊れてしまいそうで。
「…ホテル戻りませんか。」
ここにいたら二人とも悲しくなってしまう。
なんとなく、そんな気がした。
「…土産屋行くんだろ。」
「ホテルの近くで買います…。だから…」
私を見つめる瞳は
いつもよりずっと悲しい。
この人にも…なにかあるのかな。
不思議そうに見つめ返すと
私のおデコをパシッと叩く一哉さん。
「いっ…!!な、なにするのっ!」
「アホ面してたから、喝入れといた。」
「はあ??」
そーいってニカって笑う彼。
何事もなかったように歩き出す。
私はその背中を必死に追いかけた。

