謝る私を見て彼はキョトンとする。
「…別に、お前のせいじゃないだろ。」
「でも…私が水族館行きたいって言ったから…。」
「最終的な決定は俺がしたんだからいいんだよ。」
そうは言われてもやっぱり気になってしまう。
ここにいてもまた、さっきのように追いかけられるかもしれないし…
「一哉さん…もう…出ましょう?」
「は?」
「…人混み危険ですから…。」
シュンとする私を見て明らかに困っている。
でも…
これしか選択肢はない。
「……魚見なくていいのか?」
「は、はい!ここじゃなくても見れるし!」
一刻も早くここから出たいはずだもん。
人混みがこんなに怖いと思ったことは…私も初めて経験したし。
「…ごめんな。」
その一言と同時に一哉さんの手が私の頭をポンっと撫でた。
なんとなく沈黙なまま
私たちは水族館を出た。

