意地悪に聞くと俺の腕の中で小さく反応した。



「だって……」



　泣きそうな声を出す心音ちゃん。



　いつもしっかりしてそうな心音ちゃんからは似ても似つかない姿。



　そんな姿に笑みをこぼしてから本音を告げる。




「確かに今までに付き合ったことはある。……でも、さっきも言ったように本気になったのは心音ちゃんが初めてだよ」



「……涼太くん…………」



「それに、ヤキモチ妬いてくれたこと。すごく嬉しかった」



　ニコッと笑ってからまた心音ちゃんをぎゅっと抱きしめた。