二人は並んで夜の町へと歩き出す。
孝志はあわてて車を飛び降りた。
男!
ミツが俺以外の男と!
うそだあああああ。
孝志は帽子を目深にかぶり、二人の後を追い始めた。
夏のもわっとしたほこりくさい空気。
だて眼鏡にたまった汗を、袖で拭った。
あの男は誰なんだ?
どうしてあいつと歩いてる?
まさか……浮気???
孝志はストーカーさながらに、ひっそりと二人を追いかけた。
声をかける?
いや、仕事関係の人かもしれないし。
友達かもしんない。
ミツの横顔がちらりと見える。
あ、うれしそうに笑ってる。
孝志の胸が、ズキンと痛んだ。
二人は駅近くのイタリアンへと入って行く。オープンテラスがついていて、客席にはカップルが多い。
割と高級な感じ。そう、デートで使いそうな、そんな感じの……。
孝志は後を追って店に入りたかったが、わずかに残った大人としての理性が押しとどめた。
後をつけていたことがミツにばれたら、ストーカーだって思われるかもしれない。
そりゃいかん。
マジでいかん。
孝志はレストラン向かいのカフェに入ることにした。窓際の席が空いてる。
座って、出てくるのを待とう。
そのまま……
ほ、ホテルとか、そんな、いかがわしい場所へ行くようなら、
断固阻止しなくちゃ!
孝志はコーヒーをオーダーし、見逃さないように、レストランを凝視し始めた。

