おててがくりーむぱん2



佑司は野島に向き「操作方法をお教えしますので、おすわりください」と言う。


「いや、俺、無理だから」
野島が後じさりする。「皆川先生、やってよ」


「えっ、でも、わたしは講師なので、このシステムにアクセスする権利はないと思うんですが……」
「固いこと言わないでさ、後で使い方教えてよ」
「いいんでしょうか……」
光恵は、余分な仕事をさせられるんじゃないかと、焦り始めた。
これは野島の仕事で、光恵のではない。


「いいよね、別に」
野島が佑司に軽く問いかける。


「駄目だと思いますよ」
佑司がそんな野島を、ピシャンとはねのけた。


「アクセス権を設定してあるんです。パスワードも絶対に他に漏らさないでくださいね」
佑司が有無を言わさぬというように、笑顔でしっかりと言い聞かせた。


しゅんとした野島がしぶしぶコンピュータの前に座る。
光恵はほっと胸を撫で下ろした。


そう、こんな人だった。
曖昧なことがきらいで、少し融通の効かないところがある。
でもいつだって、彼は正しかった。