佑司は運び込まれたコンピュータの段ボールを開けると、手際よく設置していく。光恵は、古いコンピュータがどいた後の山積みの埃を掃除した。掃除しながらも、頭の中はぐるぐるといろんなことが回っている。
メーカーの営業に就職したんじゃなかったっけ?
どうして技術みたいな仕事してるんだろ。
っていうか、どうしてこんなところで会っちゃたんだ。
ちらりと佑司の横顔を盗み見る。
眼鏡をかけ(あ、やっぱりわたしの眼鏡好きは昔からだ!)真剣な顔つき。
視線に気づいて、佑司が光恵の顔を見る。
それから少し照れたような表情をして、再び仕事に戻る。
あの表情。
思わず光恵の胸がきゅんとなる。
そうだ、あんな顔。
よくしてた。
大好きだった。
コンピュータの電源を入れる、ぶうーんという音。
佑司は額の汗を手の甲で拭って、ふわりとした髪をかきあげる。
キーボードを力強く叩いて、ログイン。
あっという間にシステムの動作確認を終了した。

