真っ白な教会。
窓からは緑の庭園。真っ青な空。
誓いの言葉は紡がれて、未来へと繋がって行く。
「誓いのキスを」
外国人の牧師が、カタコトの日本語で言った。
ベールが挙げられると、孝志の顔が見えた。
なんだかおかしい。
妙にまじめな表情で。
「笑うな、ミツ」
「だって、笑えちゃう」
それから、孝志が探るような表情を浮かべた。
「俺、本当に、会わない間も光恵のことばっかりだったよ」
「へえ」
「信じてないの?」
「どっちでもいいや」
「なんで」
「だって、今、一緒にいるでしょ。それが大事。それに、わたしの六年間を聞かれると困っちゃうから」
孝志がびっくりして「え?」と声を上げる。
「だって、そんな様子なかったはず……嘘……だよね?」
「どうかなあ」
「えええええ、ミツぅ」
孝志が泣きそうな顔になる。
光恵はくすっと笑って「嘘」と言う。「だって、孝志にはさゆりさんがいたって、なんだか口惜しいんだもん」
「えっと、それは……えっと……」
慌てている孝志の袖を、光恵は引っ張る。
「誓いのキスをして。あなたはこれから、ずっとわたしと一緒にいてくれるんでしょう?」
「うん、もちろん」
孝志が微笑みながら、顔を近づける。
「死ぬまで、側にいて、ミツ」
唇が触れる。
暖かくて、優しい。
「死ぬまで、側にいる」
光恵は笑って、そう答える。
これからは、ずっと一緒。
わたしたちは今日、結婚しました。

