おててがくりーむぱん2



真っ白な教会。
窓からは緑の庭園。真っ青な空。
誓いの言葉は紡がれて、未来へと繋がって行く。


「誓いのキスを」
外国人の牧師が、カタコトの日本語で言った。


ベールが挙げられると、孝志の顔が見えた。
なんだかおかしい。
妙にまじめな表情で。


「笑うな、ミツ」
「だって、笑えちゃう」


それから、孝志が探るような表情を浮かべた。


「俺、本当に、会わない間も光恵のことばっかりだったよ」
「へえ」
「信じてないの?」
「どっちでもいいや」
「なんで」
「だって、今、一緒にいるでしょ。それが大事。それに、わたしの六年間を聞かれると困っちゃうから」


孝志がびっくりして「え?」と声を上げる。


「だって、そんな様子なかったはず……嘘……だよね?」
「どうかなあ」
「えええええ、ミツぅ」
孝志が泣きそうな顔になる。


光恵はくすっと笑って「嘘」と言う。「だって、孝志にはさゆりさんがいたって、なんだか口惜しいんだもん」


「えっと、それは……えっと……」
慌てている孝志の袖を、光恵は引っ張る。


「誓いのキスをして。あなたはこれから、ずっとわたしと一緒にいてくれるんでしょう?」
「うん、もちろん」
孝志が微笑みながら、顔を近づける。


「死ぬまで、側にいて、ミツ」


唇が触れる。
暖かくて、優しい。


「死ぬまで、側にいる」
光恵は笑って、そう答える。


これからは、ずっと一緒。


わたしたちは今日、結婚しました。