「どういうこと?」
光恵は首を傾げた。
「わたしと孝志は、しばらくアメリカで同棲してたの」
「同居!」
孝志が異論の声を上げる。
「ずっとわたしと一緒だったのに。昼も夜も尽くしたのに」
さゆりがうなだれる。
「わわわ、ちょっと待って! ミツ誤解しないで。なんでもないから!」
「なんでもないって、何よ。きーっ」
「だって……お前、男だもん」
孝志が言うと、さゆりは目はみるみるうちに、充血してきた。
「性別は関係ないって、あの夜言ってくれたじゃない!」
「そうなの?」
光恵は孝志の顔を覗き込む。
「どうして、誤解されるようなことばっか,言うんだよ! お前が悩んでるっていうから、相談に乗ったんじゃないか!」
「愛してたのよっ。知ってたくせに!」
「知ってたの?」
再び光恵は顔を覗き込む。
「まあ、うすうす……」
孝志は気まずそうに頷く。
「知ってたのに、わたしに優しくして。好きだって言ったじゃない!」
「言ってない! と思うけど……」
「自信がないの?」
顔を覗き込む。
「いや! 言ったとしても、それは友達ってことでっ」
孝志が慌てて大声をあげた。

