「じゃあ何か歌っててよ。今からものすごく泣くから。」 ギターを勢いよく鳴らして、瑛が歌い始める。 あんな、他の女に買ったプレゼントを贈ってくる男なんて、きれいさっぱり忘れてやるんだ。 だけど、短かったけれど、本当に好きだった。 今夜は満月だから、瑛が歌うから。気が済むまで泣いてやろう、涙が枯れるまで。 そしたらきっと、新しい明日はやって来る。 end