しばらくフィジカルトレーニングをしていたらコーチは驚きの一言を放った。

「おーし。次は新トレーニング、馬跳びやるぞー」

馬跳び;一人が上体を前にかがめて両手で自らの両足首あるいは膝を掴んで支持し、もう一人がそれを開脚しながら跳び越えるもの(Wikipedia参照)

「マジか」

今は3年生と私たち7人合わせて15、6人くらいだから多分

「よーし。大体半分くらいに分かれろよー競争するかんなー」

ゆっる!コーチよ忘れないでくれ私は女子だ。男子オンリーではないのだ!!

何が言いたいのかって?私が足を引っ張ったらまずいだろってことだよ!

自慢じゃないけど私の運動能力は悪い。それはもうとてつもなく。

体力テストはD判定以上を出したことがないし、自転車にだって乗れない。

なんて悶々と考えていたらいつの間にかチームは決まっていた。

……マジで?

いや、嫌いな人がいたわけではない断じて。逆である真逆。

同じグループには運動神経抜群、眉目秀麗にして温厚篤実と名高い私の想い人

黒城 雄飛(こくじょう ゆうひ)その人がいたのだ。