「あー、こんにちは。って、ん?


椎名何で私って分かったの?」



不思議そうに首を傾ける玲唯。



「足音です。


先輩は他の生徒と違ってコンコンっていう音です。


大体、女子って無駄にローファーをパタパタ鳴らす感じでして。」



それを聞くと玲唯は驚いた表情を見せた。



「椎名、そんな些細な違いが分かるの?」



このとき、秀勝はあることに気が付いた。



色々なことに無関心な自分がこんな些細なことの違いが分かるはずがない。



それを告げる訳にもいかずに、



「まあ、なんとなく。」



と答えた。