2階の観戦スペースに上がると端の方に玲唯が1人で立っていた。


二重だけど、すっとしていて涼しい印象の眼は手前のコートを見ている。



男子生徒からの視線を集めているが本人は気がついていない。



「先輩すごいな。」



鷹弥は玲唯に聞こえないように秀勝に告げ、更に続ける。



「まあ、あの容姿に今の表情なら目をひくよな。ていうか、秀勝聞いてる?」



「うん。」



「お前最近、今まで以上にぼーっとしてること多いよ。


まあ、いいけどね。」



鷹弥はそこまで言うと玲唯の方へ向かっていった。