聡未が帰っていくと、秀勝は玲唯の方に向き直った。



「あ、2年8組の椎名秀勝です。


副委員長になりました。


よろしくお願いします。」



「あっ!


さっきはお見苦しいものを!」



そこまで言うと、玲唯は一度言葉を切った。



すると、凛とした表情をして、



「椎名秀勝くんね。


3年5組の泉地玲唯です。


さっきは情けない言葉ばっかり発してたけど

やるからには真面目に頑張るよ。


一年間よろしく。」



玲唯の真っ直ぐな視線に少し戸惑う秀勝だったが、

先ほど言葉を気にしないで仕事ができそうだと思った。



柔らかい夕日が差し込む春の会議室での出会いだった。