素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「ごめんねぇ。俺達、彼女を待っているから」


俺は、絡められている腕を振りほどきながら、笑顔で優しく断る。


「そんなの、いいじゃん。私達と遊ぼう?」


はぁ、しつこいな……


こっそりため息を吐き


面倒くさいな


と思いながら、次の断る言葉を考えていた。


「お待たせぇー!」


すると、繭花ちゃんが、若菜ちゃんと胡桃ちゃんを引っ張りながら歩いて来た。


周りにいた女の人達は、「何?何?」と、三人の事を見る。


「ごめんねー。彼女来たから、行くね」


俺は女の人達にそう言い


「行こう」


渉の肩をポンッと叩き、若菜ちゃん達の所へ歩いて行く。


「なんか……、大変そうだね」


そう言いながら、若菜ちゃんは女の人達に視線を向ける。


その言葉に、俺は、ははっと笑うしかなかった――…