「ほら行くよ」


繭花は私と胡桃の手を引っ張り、歩き出した。


そして、水沢くんと五十嵐くんの周りにいる女の人達に聞こえるように


「お待たせぇー!」


わざとらしく、繭花は大きな声を出す。


さすが繭花……


二人の周りにいた女の人達は、「何?何?」と私達を睨んでくる。


私達、どこでも睨まれるなぁ。


なんて、考えていたら


「ごめんねー。彼女来たから、行くね」


水沢くんはそう言うと、女の人達をかき分け、私達の所まで来る。


「なんか……、大変そうだね」


私の言葉に、水沢くんは、ははっと苦笑いになっていた。