「胡桃、大丈夫?」


そう言って、胡桃の顔を覗き込むと


「そりゃぁ、渉くんも陸くんもカッコイイよ。学校で囲まれているのだって、嫌だけど慣れてきたよ。

でも、外でもあんな風に囲まれているのを見るのは、嫌。見ていたらさ、なんか悲しくなってくる……。
“私なんかが彼女でいいのかな?”って、思っちゃうよ……」


胡桃は泣きそうになりながら、そう言った。


「胡桃!また“私なんか”って言ったでしょ!五十嵐の彼女は、胡桃なんだよ!!五十嵐が選んだのは、く、る、み。わかった?」


繭花は、そんな胡桃に顔をぐいっと近付け真剣な表情で、そう言った。