帰り道――…


別に、水沢くんに特別な感情を持っているわけではない。


まぁ、好きか嫌いか聞かれたら、好きの部類に入るけど。


でも、男の子と二人きりって、やっぱり緊張するよ。


私が緊張し、黙っていると


「みんなでいる時と雰囲気違うね」

「えっ?」

「いや、なんかさ。さっきまでは元気に喋っていたのに、急に大人しくなったから……」


水沢くんの言葉に顔を上げたけど、私はまた俯いてどう答えるか考える。


何か答えた方がいいんだろうけど……、緊張する。


「私……、男の人と話すのが苦手で……」


だけど、黙っているわけにもいかないから、私は正直に言ってみた。


「えっ?さっき教室では普通だったじゃん?」


そうなんだけどね。

でも、それは……


「……話しかけてくれると、まだ話せるんだけど……。自分からはちょっと……」


私は俯きながら答えた。