ガラガラ――


赤い顔をした若菜ちゃんが走って戻って来た。


「ハァ、ハァ……、ハァ……。……っ、水沢くん……、お待たせ」


えっ!?

走って来てくれたの?


俺はその事が嬉しかった。


だけど、走って戻って来た若菜ちゃんをよく見ると、目を潤ませ、泣きそうになっていた。


上原に何かされたのか?


そう思うと、なんだかムカついてきた。


それと同時にすごく心配になる。


「……アイツに何かされた?大丈夫?」

「ううん、大丈夫。それより、ごめんね。遅くなって」


だけど、若菜ちゃんは“大丈夫”って言うし。


そんな若菜ちゃんに、それ以上聞く事が出来ない俺は話を変える。


「今日はファミレスに行って勉強しようか」

「えっ?ファミレス?」


若菜ちゃんはびっくりして、声が裏返っていた。