「あ、あの……?」


私は教室の扉の所まで行き、私の事を呼んだのであろう男の子に声を掛ける。


「あの……。日向さんに話したい事があるんだけど……。放課後、時間いいかな?あっ、俺、隣のクラスの上原 大樹(うえはら だいき)。ごめんね、いきなり。でも、少しでもいいから時間ちょうだい?」


上原くんという男の子に、勢いよく話し掛けられた私は戸惑った。


今、放課後って言ったよね?

無理だ。

今日の放課後は水沢くんと勉強会をする。

だから、断らないと……


私は何の話かはわからないけど、断ろうと思った。