昼休み、購買で買ったパンを教室で食べていると


「今日の勉強会、私、パス。ごめんね」


繭花が両手をパンッと合わせて言った。


「デート？いいよ。繭花も彼氏に会いたいもんね」


繭花にそう言って、私は考えた。


五十嵐くんも胡桃と二人きりで会いたいよね？

じゃぁ……


「ねぇ、胡桃……。今日、五十嵐くんと二人で勉強したら？」


私の口からそんな言葉が出るとは思っていない二人は、びっくりして私の顔を見て固まった。


「ちょっ……、何で!?若菜はどうするの？私、渉くんと二人きりなんて緊張しちゃうよ！」


私の腕を掴んで、胡桃はあたふたする。


「若菜、偉い！もちろん若菜は、水沢と勉強会するんだよね？」


そんな胡桃とは対照的に、繭花は「うん、うん」と嬉しそうに頷く。