素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「キスの事はわかったけど、今、橘と一緒に帰ってるんだろう?付き合ってないのなら、何で橘と一緒に居るんだよ。若菜ちゃん、男が苦手だよな?橘と居るって事は、若菜ちゃんも橘に気持ちがあるんじゃないのか?」

「それは……」


この時、若菜ちゃんが上原に付きまとわれていただけじゃなく、襲われた事も聞いた。


それからずっと不安定だって事も……


だから、絶対誰かが若菜ちゃんのそばに居るって事も。


「ねぇ、一度、若菜とちゃんと話して?あの子、ただでさえ不安定なのに、水沢との関係が中途半端で、前に進めないの。
もう、水沢に気持ちがなくて、別れるなら別れるでいいからさ……。関係をはっきりさせてよ」


繭花ちゃんは苦しそうに顔を歪めた。


「……わかった」


そう言って、俺は教室に戻った。