素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「日向、自分で話せるか?無理なら、俺が話そうか?」


橘くんは昔の酷い言葉を言った橘くんとは全然違う。


すごく優しく、私を怖がらせないように気を使い、私の事を心配してくれていた。


橘くんが心配そうに聞いてくれたけど、私は涙が止まらず、何も答えられなかった。


そんな私を見て、私が話せないだろうと判断した橘くんは、繭花達と一緒に私の部屋に来てくれた。


そして、橘くんが見た範囲で上原くんの事を私の代わりに話した。


「――…だから、頼むわな。もし、日向が俺でもいいなら……。俺、日向のそばに居るから」


繭花達に上原くんの事を話した後、上原くんは優しい表情で私を見る。


正直、今の私は、あれだけ好きだった水沢くんの事を忘れていた。


今の私の心は、橘くんの優しさでいっぱいになっていた。