素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「怖かったな……」


優しい口調でそう言って、橘くんは私の腕に触れる。


だけど、橘くんに触れられた瞬間、


「……嫌!」


私はさっきの怖さから、橘くんの腕を振り払ってしまう。


「あっ……、ごめん」


橘くんは助けてくれたのに。


そう思いながら、謝り、橘くんを見る。


「いや、いいよ。ごめんな、怖がらせて」


だけど、橘くんは嫌な顔せずに、その場にしゃがむ。


そして、


「日向、肩に触れてもいい?」


距離を取りつつ、私の顔を覗き込む。


「一人で立てないだろ?日向、まだ震えてるから……」


橘くんの言う通り、私はまださっきの恐怖で震えていた。


それに、足に力も入らない。


私はコクンと頷く。