素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「……た、橘くん?」


上原くんに殴りかかろうとしていたのは橘くんだった。


私が橘くんの名前を呼び、橘くんの気が私に向いた隙をついて


「チッ」


上原くんは舌打ちをし、逃げて行った。


私はあまりの怖さで、その場に座り込む。


そして、怖さで震えが止まらなかった。


「日向……、大丈夫か?」


どうして、ここに橘くんが居るの?


橘くんは私に近付いてくる。


「帰り道に、日向の鞄が落ちてたんだよ……。何かあったんじゃないかと思って探したんだ」


そういえば、私、鞄持ってない。


上原くんに襲われた時に落としていたみたいだ。


橘くん……

私の事、探してくれたんだ……


ホッとした私の目から、大粒の涙が溢れてきた。