素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「大人しくしろよ」


上原くんの口調が急に強くなる。


私は恐る恐る目を開ける。


すると、上原くんの顔が目の前まで迫ってきていた。


「日向さんは俺のものだ。誰にも渡さない」


い、いや!


私はぎゅっと目を瞑る。


その目からは怖さで涙が流れてくる。


怖いよ……

誰か、誰か助けて。

水沢くんっ!


「……っ、てめぇ、何してんだよ!」


そう声が聞こえたと同時に、掴まれていた手首が解放される。


そっと目を開けると、倒れ込んでいる上原くんの胸ぐらを掴んで、殴ろうとしている男の人が居た。