素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

だけど、上原くんは私の顎に手をかけ、グイッと持ち上げる。


「あの日……、後夜祭の時、水沢とキスしてただろ」


えっ?

なんで、その事を知っているの?

あの時、みんなグラウンドに出て、教室には誰もいなかったはず……


「でも、これで許してあげる」


そう言って、上原くんは顔を近付けてくる。


嫌っ!!

やめて……


もがいて逃げようとするが、私の手首を掴んでいる上原くんの手の力が強まる。


「痛っ……」


痛さで私はきゅっと目を瞑った。


「日向さんが逃げようとするから。大人しくしてたら、優しくしてあげるよ」


上原くんに耳元で囁かれ、私はゾクッとした。


「……い、いや!」


私はじたばたと暴れる。