素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「きゃっ……」


私は腕を掴まれ、反対の手で口を塞がれた。


い、いや!

離して!


そう叫びたいのに、私は怖くて声が出ない。


腕を掴まれ、口を塞がれたまま、私はずるずると、人気の無い裏路地へ連れて行かれた。


「日向さんは俺のものだ」


そんな声が聞こえ、私は壁に押し付けられた。


顔を上げ、相手の顔を見たら……


えっ?

上原くん?

どうして……?


上原くんは、右手で私の両手首を掴み、私の頭の上で押さえつける。


そして、左手で私の頬をそっと撫でる。


嫌!

気持ち悪い。


私は上原くんから逃れようともがく。


だけど、男の人の力にかなうわけがなく。


私は顔だけでも背けた。