素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「なぁ、日向達、どうなってんの?……つか、なんでまた、亜希さんなんだよ」


最後の方はちゃんと聞き取れなかったけど。


「……ごめん。私もわからない……」


そう答えた私に


「帰ろうか」


繭花はそっと私の背中に手をそえた。


そして、歩き出した私達。


水沢くんが他の女の人と一緒に居る所を見たくない私は、俯いたまま水沢くんの側を通り過ぎる。


繭花はそんな私をずっと支えてくれていた。


学校から少し離れた所まで歩くと


「若菜、大丈夫?一緒に帰れなくてごめんね」


繭花は心配そうに私を見る。


「大丈夫だよ。繭花も気にしないでデートしておいで。胡桃も五十嵐くんもバイバイ」


私は沈んだ気持ちを隠し、笑顔を作った。