「日向……。大丈夫か?」


五十嵐くんが心配そうに聞いてきた。


「陸に聞いても、何も答えないし。あれって亜希さんだろ」


五十嵐くんは学校の前に居る水沢くん達に視線を向ける。


「えっ?五十嵐くん、知ってるの?」

「えっ?あ、あぁ……」


五十嵐くんは私にチラッとみたけど、気まずそうに視線を逸らす。


あの女の人は、水沢くんの何?


そう聞きたいけど、聞くのが怖い。


だけど、私の視線に気付いたのか


「あの人は“亜希さん”って言って、陸の幼なじみ」


そう教えてくれた。


あの時は暗かったし、確信は持てないけど……


あの時、水沢くんとキスしていたのはあの人だと思う。


私の知らない所で、幼なじみの人と付き合っていたって事?


五十嵐くんは水沢くん達から私に視線を戻す。