素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「若菜、いたぁー」


走って探してくれていたのか、肩で息をした繭花と胡桃がその場に座り込んだ。


「じゃぁ、俺戻るわな」


そして、橘くんは立ち上がり歩き出す。


「あっ、水沢くんには屋上に居る事、言わないで」


今、水沢くんに会う勇気がない。

会っても、どうしていいかわからない。


橘くんは、右手を上げ、ヒラヒラっと手を振り、屋上を出て行った。