素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「お前に関係ないだろ」

「関係あるね」


険しい表情のまま、橘は言い切る。


はぁ?

……って、

橘が関係あるって事は……


「お前が原因か!」


俺は橘の胸ぐらを掴み、キッと睨む。


橘は俺の手を払いのけて


「昨日、日向が泣いた原因は、水沢、お前だろ」


はぁ?

意味わかんねぇ。


橘が言いたい事がわからない俺は、橘を睨んだまま黙る。


「昨日、日向を借りるって言ったよな」

「だから、何だよ」

「友達と会った後さ……。俺もだけどさ、日向、帰りに見たんだよ。駅の近くの公園で、お前が女とキスをしている所を」


あの時の事、見られていたんだ……

だけど、あれは気持ちがあっての事じゃない。

亜希に無理矢理されたんだ。

やましい気持ちなんて、何もない。