素直な気持ち~好きになってもいいですか?~

「知らねぇ」

「あんた、若菜に何したの!!」

「何だよ、いきなり。つーか、俺の方が聞きてぇよ!」


苛立つ事はあっても、みんなの前で、そうキレる事はない。


どちらかと言えば、いつも笑顔でいるようにしている。


だけど、そんな俺の機嫌が見るからに悪いし、しかも、繭花ちゃんと言い合いをしている。


朝のSHR前。


いつもは賑やかな教室も、俺らの異変に気付いて静かになった。


そして、遠巻きに俺らを見ていた。


「……本当に何もしてないんでしょうねぇ?」

「だからー、俺が聞きたいって言ってるだろ」


苛立っている俺は、強めの口調で言い返す。


その時、ちょうど担任が教室に入って来た。


だから、そこで話は終わったけど。


SHRが終わっても、授業が始まっても若菜ちゃんは教室に戻って来なかった。